インタビュー連載 One Sky.~同じ光、風、思い。
かすみがうらマラソンには大会の成功を裏から支えるボランティアがたくさんいることを知っていますか?コース沿道の応援やエイド、障害者ランナーの目となる伴走者、ゴール後にマッサージを施すなど、ボランティアはいつもランナーを笑顔で迎えています。本連載はインタビュー形式で、かすみがうらマラソンを支える人達の思いを探っていきます。
連載4回目は、ランナーに対してコンディショニングを行うつくば国際大学の「つくば国際トレーナー活動研究会」。会場に「コンディショニングサポート」のブースを設置し、希望するランナーをケアしています。「走り終えた後に、体をゆっくり休められれば」との思いで励む学生たち。医療保健学部理学療法学科の教授で顧問の鈴木康文さん、卒業生の阿部純佳さんと山口栞奈さんにケアの内容や当日の流れ、やりがいを聞いた。
(第32回大会は新型コロナウイルス感染症対策のためブースの設置はございません)
つくば国際トレーナー活動研究会
―つくば国際トレーナー活動研究会はどういった活動をしていますか。
理学療法を学ぶ学生が所属し、スポーツ医学やスポーツ科学に関する知識や技術の講習を行っています。外部活動としてかすみがうらマラソンやつくばマラソン、牛久シティマラソンなどでコンディショニングサポートブースを設置。かすみがうらマラソンには平成24年の第22回大会から毎年参加しています(鈴木教授)。
―当日のスケジュールはどのようになっていますか。
学生は50人ほどが参加します。午前5時30分に大学に集合、午前7時には会場でブースを開設します。最終受付は午後4時30分に終了し、午後7時30分ごろ大学で解散します(阿部さん)。
―早朝から長時間にわたりありがとうございます。ランナーにはどういったコンディショニングをしていますか。
利用者には初めに受付を行い、初めに学生が一人一人を問診します。その後、コンディショニングを8分程度行います。出走前は道具を使ってストレッチを中心に。例えば肩が緊張していたら緩和させるケアをます。出走後は疲労回復を念入りに。足がつってしまう人もいるためアイシングする場合もあります(山口さん)
―出走前も利用できるのですね!全体でどのくらいの利用者がいますか。
第25回は350人、第26回は99人、第27回は240人、第28回は231人という数です。天候悪化などによって毎年、利用者の人数にばらつきはありますが、知名度が高まっていることもあり年齢性別関係なく、多くのランナーに利用していただいています(鈴木教授)。
―学生はボランティアで行われていて、学生自身も体力もたっぷり使うと思いますが、やりがいは何でしょうか。
コンディショニング後は利用者にアンケートを記入していただきます。学内で学んできたことを、実践する場であるので、感謝の言葉をいただいたときはとてもうれしいです。外国人をケアしたこともあり、英語で説明することは少し難しかったですが、ジェスチャーを交えて説明することで喜んでいただけました。出走前と出走後に利用するランナーもいらっしゃって「みんなのおかげでよく走れたよ!」という時もやりがいを感じましたね。「コンディショニング中にランナーの要望を聞くなかで、どういったケアが適切か自分自身で考えたりと学びにもなっています」(阿部さん)。「地域の交流や貢献にもなると思います。日常会話をしながらケアすることもあり、私のコミュニケーション力も高まっていきました」(山口さん)。
―ランナーにとって、なくてはならない存在のように感じました。ランナーに向けてエールをお願いします。
「全力で走ってください。応援しています」(阿部さん)。「コロナを吹き飛ばすぐらい頑張って走ってください」(山口さん)